手当たり次第の本棚 -6ページ目

『八丁堀同心殺人事件』〈耳袋秘帖2〉(だいわ文庫版)


警官殺しというのは、警察小説のシリーズなら一度は取り上げてられそうなテーマだ。
市井を取り締まるべき警察官が被害者になった。
しかも、もしかしたら「警官だからこそ狙われた」ということになると、警察側の面子がかかってしまう。

思えば、時代小説の中でも、奉行所や火盗改めに所属する者が主人公になっているやつは、時代物のなかでも、この警察小説に相当する。
ゆえに、根岸はシリーズ2冊目にして、ふんばりどころとなってしまうわけだ。
江戸の町奉行は、南と北の二本立てだから、当然、競い合う部分もある。
当然こんな事件は、そういう競争におおきな影を投げかける。
また、時代として、田沼時代→松平定信時代を経過した直後にあたり、いまだ、旧田沼派と定信派の対立が、水面下に残っている状態でもある。
これもやっぱり、影響しちゃうのな。

怪しげな、前世占いの坊さんまでからんで、相変わらず、「なんだか怪しげな噂」の裏に、いろいろと生臭いものがからんでいるという仕掛けなのだが、それを解決するにあたっては、根岸が若かりし頃、いろいろと悪いこともやり、あっと驚くような金稼ぎもした、そこに由来する人脈(!)がものをいう。
ここらへんは、池波描くところの鬼平と相通じるものがあるが、『耳囊』などという市井の噂などを集めた随筆をものした根岸であるだけに、むしろ下情へ通じているその深さ、根岸は鬼平を上回っていそうだ。


耳袋秘帖 八丁堀同心殺人事件 (だいわ文庫)/風野 真知雄
2007年3月15日初版

『赤鬼奉行根岸肥前』〈耳袋秘帖1〉(だいわ文庫版)


かの『耳囊』をあらわした根岸肥前守とはどのような人物だったのか。
江戸で町奉行をしていた人である(うんうん)。
町奉行になったのはなんと還暦を過ぎてかrである(え、それは現代でも異例なほど高齢では?)。
実は非常な軽輩の身から出世した人である(まあなんというかちょっと古いけどオグリキャップみたいな)。
肩に赤鬼の彫り物があったという(えええ?)。

彫り物のある奉行としては、あの有名な遠山より前、なのだそうだ。

なかなか面白そうなプロフィールだ。

この第1巻では、まず、根岸肥前がまさしく奉行を拝命したところから、始まっている。
彼がのぼってきた出世の階段についても少しふれられていて、勘定吟味方→勘定奉行→町奉行、という(定番の)ルートをたどっており、今は老中を退いているがまだ隠然たる勢力をもつ松平定信と関わりがある。

そして、奉行を引き受けたしょっぱなが面白い。
いきなり、「ものいう猫」の噂が奉行所内でたちはじめる。
江戸時代は、けっこう、猫にまつわる怪異が語られていたようで、『耳囊』にもいくつか載せられているのだけれど、それにしても、ものいう猫。
しかも、仔猫とはいえ黒いのだから、なんとなく「魔物っぽい~」と感じる仕掛けだ。

しかし、もちろん猫がほんとにものをいうわけではなく、いったい何者が、なぜ、そういう仕掛けをしているのか、なぜ猫が話しているように思えるのかを解き明かすところから、背後にある実際の事件も浮かんでくるわけで、まさしくこれが、本シリーズのスタイルというわけだ。

しかし、作者はよほど猫が好きなのだろうなあ、と思う。
主人公の根岸肥前が動物好きだと途中で語られもし、前述のとおり、江戸時代には猫の怪異譚がそれなりに多かったとはいえ、まず猫。
文春文庫にうつった時もやはりしょっぱなが「うしろ猫」の話だった。
格別、すごい活躍をするわけではないが、この猫(たち)、猫好きにはちょっとばかり、にやっとさせられるところがあるかもしれない。


耳袋秘帖 赤鬼奉行根岸肥前 (だいわ文庫)/風野 真知雄
2007年2月15日初版

『楊令伝 2 辺烽の章』


楊令が、呉用が、かつて梁山泊に集まった英雄たちが、理想と建国について大いに語る。
なるほど。

『水滸伝』の根幹は、言うまでもなく、腐りに腐った宋という国に対し、理想をかかげた英雄たちが対抗するというところにあった。

ならば、梁山泊が陥落したあと、生き残った者たちの心の動きはどうであったのか?
もちろん、前巻でもそのきざしは語られていたわけだが、ここにきて、梁山泊陥落後、各人がどのような思いを抱いてきたのかというところが、吐き出されることとなった。
しかし、その多くが「屈託」であることも否めない。
とくに大きな屈託をかかえていた武松に抜本的な解決を与えることで、楊令はさりげなく、ひとつの方向性を示したとも言える。

単なる『水滸後伝』ではなく、タイトルが『楊令伝』なのだから、これは自然な流れととるべきなのだろう。

一方、いよいよ江南では怪しげな宗教王国が胎動してきているのだけど、その動きを呉用先生が正確に読み切れないというところも、ちょっと面白い。
宗教にかかると、ごく普通の人でも、予想外の行動をとったりする。
しかし、呉用がおさめた学問は、そういったイレギュラーなものを取り扱わない。
軍学とて、人間を「一定の常識をもって行動する」という前提でシミュレーションするわけだし。
そして呉用自身、生き残ってしまったことへの屈託をかかえており、それとあいまってどのように動くかとても興味深い事になっている。

また、更には岳飛(もちろん、若き日の!)なども登場してきて、今後どのように梁山泊勢とからんでいくのか、楽しみでもある。


楊令伝 2 辺烽の章 (集英社文庫)/北方 謙三
2011年7月25日初版(文庫版)

『D-冬の虎王』〈吸血鬼ハンターD23〉


Dの世界観は、意図的にいろいろなところがぼかされている。
貴族(吸血鬼)の支配が千年単位どころか、万年にわたり続いている事は示されているが、たとえばこの舞台が地球であるのか、それとも、異星であるのかも、はっきりとしていない。
まあ、1万年も先のことなら、異星も同然なんだけども。

開拓時代のアメリカを思わせる荒野、ヨーロッパの昔を思わせる村や古城。
そのうちの幾分かは、貴族の趣味による演出とされている。
しかし、それらと退避してひきあいに出される「都」は舞台となった事がなく、どのような場所なのかも曖昧模糊としている。

だからこそ、「D」という男の神秘性とスーパーヒーロー性がきわだっているのだろうと思う。

実際、新宿区を舞台とした魔界都市シリーズ(群)は、舞台となった場所のなりたちを含め、詳細な世界設定が明らかにされていると同時に、そこで活躍するキャラクターも、多種多様だ。
シリーズの主人公をになうキャラだけでなく、脇役も、いつ主人公になってもおかしくないようなくせ者がそろっている。

ある意味魔界都市新宿ものは、微に入り細をうがって描写される新宿そのものが魅力であるように、Dの世界は、得体の知れぬその神秘性が魅力なのだ。
その神秘性を解き明かす鍵は「D]という男だが、この男自身、得体が知れないというのが面白い。
もちろん、「神祖」と呼ばれるのが誰なのか、おおよその暗示があるし、その神祖とDの関係も、強くにおわせるものがあるのだけれど、あえて書かない。
この、見えそうで見えない魅力というのは、新宿の方でも、一部で駆使されているテクニックで、菊地秀行お得意の手法だとも言えるだろう。
「チラ見え」の魅力が「D」の真髄というわけ。

しかし、本巻は珍しくも、貴族の視点から物語が展開されている。
だからといっていろいろな謎が明らかになるというのではない。
千年、下手すれば万年も生きているかもしれない貴族という存在の異質さが、貴族の側から語られているのだ。
不死であれば、定命の人とは、当然、ものの見方が変わってくるはず。
かつては残酷な「虎王」とおそれられた老貴族と、その息子たち、そして彼の愛した女を通して、人間ならざるものが今までより生々しく描かれていると言える。
とはいえ、これは難しいテーマでもある。
曖昧模糊としたところを残しながら、人間ではないもの(異質な存在)の視点から物語を再度語る事になるわけだから。

一方、Dとしてははじめての別主人公のシリーズがノベルスから刊行され、このこともあわせて、描き方の方向転換が行われているように感じる。
人間だけではなく、より、貴族の世界にも目が向けられ始めているのだ。
はたしてそれが成功するのかは、もう少し待ってみないといけないのだろう。


吸血鬼ハンター23 D-冬の虎王 (朝日文庫)/菊地秀行
2011年8月30日初版(発売中)

『王子狐火殺人事件』〈耳袋秘帖5〉(文春文庫版)


このシリーズ、最初はだいわ文庫(大和書房)から出ていたものなのだが、その後、文春文庫に移り、主人公の片割れが変更になっていた。
新しい読者をおもんばかっての事だと思うが、文春版でも、本巻から状況がかわった。
まず、タイトルから「妖談」の2文字がなくなっている。
そして、イノシシ武者脇田から、シリーズ当初の主人公、栗田が帰ってきたのだ。
しかも、身重の妻、雪乃をきづかうシーンからというのは、ちょっといい雰囲気でもあり、だいわ文庫版から読んでいる読者は、ちょっとにやりとするかもしれない。

勿論、だいわ文庫版は知らない場合でも、問題なく読めるのだけど、栗田と雪乃についてはだいわ文庫版で読めるので、いいキャラだな~とか思ったら、だいわ文庫版を一読してみるのもよさげ。

そんな栗田が出てくるタイミングで、発生した事件は祝言にのぞむ花嫁が失踪しちゃったというものだ。
狐憑きがからみ、女性ばかりが犠牲となる連続殺人事件となると、これまでの4巻より、サスペンス風味は薄れているように思う。
その分、ミステリ風味が強い。
ラストも、どことなく、時代小説というより、名探偵もののラストを思わせる。


王子狐火殺人事件―耳袋秘帖 (文春文庫)/風野 真知雄
2011年5月10日初版

『妖談さかさ仏』〈耳袋秘帖4〉(文春文庫版)


格別だまし絵をとりあげなくても、さかさにしてみると全く違う印象になってしまうものってわりとあるんじゃなかろうか。
単純な話、子供の頃に股の間から世界を眺めてみた時の事を思い出してみてもいい。
忘れた?
なら、こっそりと今やってみよう。
体が硬くてできない?
よしストレッチだ!

……ちがう(笑)。

まあ、そうだな、漫画本でも手にとって、逆さに見て見たらどうだろうか。
いやいや文庫本の表紙でもOK。
印象がだいぶ違ったりしないか?
もちろん、全てが全てそうなるというのではないけれども、なかには「え?」とびっくりするような結果が出る事もあるかもしれない。

そのためか、「さかさにする」(類似として、裏返しにする)というのは、簡単なおまじないの手法でもあるようなのだが、本巻ではまさしく、そういうことが行われる。
タイトルにもあるとおり、仏像をさかさにしてしまうのだ。

仏像というのは、たいてい、おだやかな微笑を浮かべている事が多いようだ。
アルカイックスマイルという、あれだ。
これがさかさになると、どうだろう?
こういうのは、想像するだけでもちょっと怖い。
もしかすると、かなり、「夏むき」な光景かもしれない。

もちろん、本シリーズは、そういう、「なんか不気味っぽくて怖い」事象がまずあって、そこになんらかの事件をあkぎつけるというスタイルなんだけど。
なうての美術品ドロをからませて、もうちょっと別な仕掛けも出てくる本巻、しかしやっぱり、怖いのは、さかさになった仏像と、それを拝む人々の心理、そしてその光景だろうと思う。


妖談さかさ仏―耳袋秘帖 (文春文庫)/風野 真知雄
2011年1月10日初版>

『妖談しにん橋』〈耳袋秘帖3〉(文春文庫版)



「この橋を4人で渡るとそのうちのひとりの影がなくなり、その人物は死ぬ」
衣エーエムでもその手のものはなにかしらありそうな、怪しげな噂が今回のテーマだ。
人数縛りの呪いってわりとあるよね。
まあこれあたりも、「4人」と「しにん」がかけてあるのだろうが、さて、本島に死ぬのだろうか?

こういうのって、話を聞いている分にはなんとことないけど、実際に現場に行くのはやっぱり気持ちよくないものだろう。
このシリーズでは、おすいう怪しげな噂の調査にあたる二人組のうち、片方が、実は恐がりであるというところがわりとポイントが高いと思う。
剣術の強い侍だし、もともと定町廻りの同心なのだから、怖がってるところをみせてはいけないのがつらい!
やはり、ホラーは、こわがる人がいないとお話にならないが、ただむやみにこわがってるばかりのキャラは、逆にうっとうしいものだ。

しかし、このシリーズ、怪しげな噂の影には必ずなにかしらある、という仕掛けなので、勿論、この橋の怪談にも、ちゃんと理由がある。
今回はいささかやるせない事情なども含まれていて、人情の機微にさとい人なら、好みの仕掛けかも。


妖談しにん橋―耳袋秘帖 (文春文庫)/風野 真知雄
2010年9月10日初版

『妖談 かみそり尼』〈耳袋秘帖2〉(文春文庫版)


尼さんというのをあまり見たことがない。
宗教に限定しなければ、東京西郊ではキリスト教の尼さんはそれなりに見かける。
しかし、仏教の尼さんを見ないんだな。
そもそも、普通のお寺に比べて、尼寺というのがとてもレアなのではなかろうか。

しかし、尼さんという存在について、こんなイメージは一般的にあるだろう。
宗教に身を捧げた女性である。
したがって男と関係を持つ事がない、清浄な身の女性。禁欲的。
剃髪または断髪し、頭を覆っている。

まあ、ともかく、一般の女性とはまったくちがう、特別な女性なのだ。

しかもレアである。

男の手の届かないところにいる女性というのは、それだけでいろいろと、想像(というより妄想?)を刺戟するのだけれども、宗教的なところに関係する女性は、プラス、「神秘的」というイメージも重なる。
レアな存在であって、普段見かける事がないと、そういった想像なり妄想なりが、へんな方向へ行くこともあるかもしれない。

かみそり尼。
なんと妖しうぶきみな言葉なのだろうか!

想像してみるといい。
人里はなれたところ。
たぶん薄暗い時間帯。
墨染めの衣をまとった尼さん。
……かみそり。

これは怖いですよ!

本シリーズ、だいわ文庫で展開されていた人気シリーズが文春文庫に移ってきたのだが、タイトルに「妖談」とうくのは文春に移ってからのこと。
キーパーソンが、かの『耳囊』をものした根岸肥前守であり、『耳囊』には相当数、怪しい噂(今でいう都市伝説をかなり含む)も入っているので、こう、妖怪の出てくる話……と連想しやすい。
実際、ここに登場する根岸肥前もそういった怪しい噂が大好き、と描写されているのだが、たんに妖怪が好きなのではなく、怪しい噂を解き明かすのが好きなんだね。
つまり、怪しい噂にはれきとした現実的な理由があり、それが事件につながるという構成になっているのだ。
もちろん、かみそり尼もそういった怪しい噂のひとつであり、そこからとんでもない事件が明るみに出てくる仕掛け。

しかし、イメージはこのシリーズ中ダントツに怖い。
かみそり尼。
ホラーというよりは、もちろん、サスペンス風味、なんだけどね。


妖談かみそり尼―耳袋秘帖 (文春文庫)/風野 真知雄
2010年4月10日初版

『旧主再会』〈酔いどれ小籐次留書17〉


小籐次のシリーズは、けっして一話完結式ではないが、それでお本巻はかなり独立性の高い話になっている。
それというのも、少年の頃、一緒につるんで「わるさ」をしていた仲間の一人、いまは信州の大名になった旧友からのたっての頼みで、お家騒動をおさめるため、小籐次は信州へと出向く事になるからだ。
小籐次自身とは直接関係のない藩のことであるから、この事件が直接これからついてまわる事はなさそうだけれど、その分、シリーズドラマの「夏のスペシャル」的に、舞台を美しいわさび田のある郷にうつし、藩主のために働く若い世代を周辺に配して、さわやかな、番外編的な話につづってあるのだ。

しかし、同時に、かつての友とあうための仲介として、小籐次の旧主が再登場したり、信州を訪れている間に、思わぬ評判が江戸で立っていたり、小籐次不在の江戸でも伏線めいたものがいろいろと発生している。
そして、今までも幕閣に近い人々と知己を得ていた小籐次ながら、もはや千代田のお城でかくれもない人気者であり、小籐次自身は全く欲のない爺さんなのに、その人脈はますます凄いことになっていきそうだ。

まあ、考えようによっては、小籐次の欲のなさが、そういう運を招いているとも言える。

それにしても、市井ではもはや「お酒の神様」扱いだし、お城ではほとんどアイドル(!)だし、小籐次の外見や藩をはなれるまでの言動とは、あまりにもかけはなれた存在になっているのが面白い。

一方、小籐次の養子である駿太郎は、れきとした武士の子であり、当代の名だたる侍である小籐次の子でもありながら、全く違う将来の展望を口にした。
まだ幼いから、それで先は決まりというものではないかもしれないが、ちょっとばかり興味深い。
駿太郎は今後どのように成長していくのだろうか。


酔いどれ小籐次留書 旧主再会 (幻冬舎時代小説文庫)/佐伯 泰英
2011年8月5日初版

『希望』 瀬名秀明第一短篇集


『パラサイト・イヴ』の瀬名秀明というと、もうその先入観からか、科学科学している、という感じがする。
実際、この短篇集も、主人公のほとんどは科学者、それ以外も科学者のごく身近な人という設定になっている。
物語の根幹も、科学科学な感じは免れない。
しかし、ハードSFにありがちな、科学ありきの物語とは全く違うものだ。
瀬名秀明作品にあっては、科学は宇宙を解明するキーではあるが、中心にあるのは、あくまでも人間なのだ。
人間は宇宙の一部であるかもしれない。
しかし、「エレガントな数式」で割り切る事ができないものがたくさんある。
どの短編もそのことをうたっている。
だから、科学科学していつつ、どの物語も、とても優しい。

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魔法
静かな恋の物語
ロボ
For a breath I tarry
鶫(つぐみ)と鷚(ひばり)
光の栞
希望
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正直にいうと、長編よりもこれらの短編の方が、強いセンス・オブ・ワンダーとともに、私には面白く読めた。
なかでも、「光の栞」(異形コレクション初出)が凄い。
まず、先天的に声を発する事ができない女性という主人公の設定が秀逸だ。
一流の科学者である彼女は、子供の頃から大好きだった絵本があり、息子にもそれを伝えた。
しかし、それだけではなく、本の新しい形を創案し、それによって、声を含む自分の全てを表現しようとする。
アイデアもギミックもユニークだ。
書籍修復の職人であるもう一人の人物と、その店の雰囲気なども、とてもいい。


希望 (ハヤカワ文庫JA)/瀬名 秀明
2011年7月15日初版