アルテミス(上) | 手当たり次第の本棚

アルテミス(上)

 

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前作、『火星の人』はスローなテンポで進みながらも次々に困った事が起きる、という仕立でしたが、今回は実にスピーディ。
まあドタバタと、出るわ出るわ、よくまあこんだけ、と思うほど主人公は困った事に見舞われます。

主人公の名前は、ジャズ。
これはジャスミンの愛称だそうで、ジャスミンというのはアラビア語ではかなり一般的な女性の名前です。
実際にはヤースミーンと発音するはずだけど、月面都市アルテミスで使われているのは英語のようですから、英語の発音でジャスミンなのでしょう。
そういや、アメリカのSFでアラブ人の女性が登場する時、ジャスミンである確率は凄く高いですw

彼女は非常に頭が良くて、教師にも父親にも期待されていたのだけど、どういうわけか斜め上に進んでしまい、紆余曲折を経て、ポーター(運搬人)として働いている。
しかしそれは表向きの事で、実は地球にいる文通相手と組んで、密輸をしているのです!

「スター・・ウォーズ」のハン・ソロも密輸人でした。
密輸人には海賊に通じるような浪漫性があるのでしょうか。
そういや、どうでもいいことですが、密輸をあらわす英語に、moonlinerというのがあったと思います。
密輸と月は相性が良かったのですw

お父さんは溶接工であり、彼女も独立するまではお父さんの仕事を手伝っていただけに、ただの運搬人ではなく、溶接もできる。
他にも色々とコネを持っています。

そんな彼女が、大金に釣られて、破壊工作を請け負う事になってしまうのです!