『時の車輪』…気になるあの子と、親友 | 手当たり次第の本棚

『時の車輪』…気になるあの子と、親友

なが~いなが~いファンタジイというと、何。
いや、国内ものだと、「アレ」なものもあるので、海外限定にしよう。
いろいろありますが……。
国内で翻訳が手に入るのだと、やっぱり『時の車輪』なんてものが、一応、リストの頭の方に出てくるんではないかと。
ヒットしてるっていうだけあって、読み口は軽いけど、それなりに
背景設定がしっかりしていて、ほとんど、齟齬も見られない。
(国内で長編ファンタジイを書いている某作家には、是非みならってほしい)。
でも、ヒット作には、絶対、「キャラクターの成長」という要素が必須なわけで。
ここでも当然、それは出てくるわけだ。
なんといっても、主人公達が若いというのもある!
いろいろ特徴のある男女がたくさん出てくるのだが、やはり中心は、アル=ソア、ペリン、マット、3人の若者だろう。

若者はバカモノだ、とは良く言ったものである……(笑)。

読者がこの3人を比べていて一番楽しいのは、多分、3人の誰もが、
「女の扱いは、あいつの方がうまい」と思っている事。
アル=ソアいわく、「こんな時、マットだったら」
マットいわく、「こういう時、アル=ソアならうまくやるんだろう」
ペリンいわく、「俺はアル=ソアやマットみたいに女の扱いがうまくないから」
うわはは。
親友同士でも、こと、女の子の扱いとなると、なかなか、腹を割って話したりはできないもの。

自分が10代の頃を振り返ると、なんか納得してしまうこのシチュエーション!
「あるある、あるよねー」
そう言いたくなるわけです。
こういうのを、ストーリーの中に持ち込んでいるのはちょっと鼻につく事もあるが、うまいよなあ。

ちなみに、女の子側も、それぞれ、いろいろとお互いの間でロマンスに関する思惑があるように見えるのだが……。
こちらの方は、機微がよくわかりませぬ(^^;

『時の車輪』シリーズ(ロバート・ジョーダン作・ハヤカワ文庫FT)